背景

システム導入において問題となる主な原因として、システム要求と業務要求の不一致が挙げられます。システム導入ではシステム要件が先行することが多く、業務改革の重要度が低くなることがあります。このような問題を抱えたままプロジェクトを進めた場合、稼働直前の段階において稼働可否に影響するほどの大きな問題につながることがあります。

  1. 業務変更の範囲が明確にならない

    現行システムの保守期限切れ等の理由により、システム更改を予定した場合、業務変更が後追いで検討されることとなり、この時、どのような業務変更をすべきかが決定しないまま、システム導入のプロジェクトが先行してしまう。
  2. システム担当と業務担当(ユーザー)との調整が難航する

    パッケージシステムの制約により業務変更(一部はレベルダウン)が余儀なくされるが、現行業務の変更には抵抗があり、これにより、カスタマイズが増加することや、そもそもの導入意義が不明確となる。

システム導入に伴う業務プロセス改革の狙い

システム導入に期待することには、業務効率化・省略化や迅速化によるコスト削減の側面と大量データの取り扱いによる、売上・利益の増加につながる側面が考えられます。どちらの効果であっても、業務をどのように変更するのか、または、導入システムの制約によりどのような業務にすべきかを確立することが、効果を最大化することにつながります。

  1. システム導入効果の最大化

    システムを導入する時には、新業務をどのようにするかを明確にした上で必要システム機能を決定していくことが本来の姿になります。システム導入のコスト自体の最小化をする以前に、効率的な業務を実施することで本来の売上・利益増や事業全体のコスト削減につながります。
  2. 業務プロセスの最適化

    グループ会社全体、または社内の各支店において同一業務が同一プロセスで実施されていないといったことは多く見受けられます。これらを統一化することは同じ指標で管理情報を分析すること、または、組織変更の影響を最小限にするなど、経営全体からすると目指すべき姿となります。また、システムに期待する機能という面でも複数プロセスに対応させることはコストの浪費になります。このことより、システム導入と同時に業務プロセスを統一化することは効果を最大化することにつながります。
    業務プロセスの最適化とは、統一化以外にも、共有化、分離・共通化、簡略化等の現状の問題点により異なる考え方で組み立てます。
業務プロセスの最適化