M&Aにおいては、買い手・売り手ともに各ステップで様々なタスクが発生します。
M&Aを成功させるためには、買い手・売り手に関わらず、経験豊富かつ総合的な支援が可能なアドバイザーの活用が必須であるといえます。
弊社は、M&A等施策の実行支援として戦略の立案から取引の実行・クロージングまで、どのステップにおいても、もしくは、部分的にも支援させていただきます。
M&Aで用いるストラクチャーは、①合併、②株式取得、③事業譲渡、④会社分割の大きく4種類に分類されます。
M&Aの目的や時間的余裕、課税関係等によって、最適なストラクチャーを選択します。
合併と株式取得のメリットと留意点は下表の通りです。
メリット | 留意点 | |
---|---|---|
① 合併 |
資金準備が不要
顧客交渉力の強化
新たな経営資源、ノウハウの獲得
組織、設備の合理化
個別の対抗要件の具備不要
|
顧客喪失の可能性
導入までの法的手続き
異なるカルチャー、インフラの融合
不要資産および簿外債務の引継
|
② 株式取得 |
既発行株式取得であれば実行手続きが簡単
事業運営の独立性と継続性
契約等の引継ぎ
株式交換であれば資金準備が不要
|
株式交換でない場合、資金準備が必要
不要資産および簿外債務の引継
第三者割当増資の場合、株主総会決議および登記等が必要
|
事業譲渡と会社分割のメリットと留意点は下表の通りです。
メリット | 留意点 | |
---|---|---|
③ 事業譲渡 |
取引対象となる事業の個別選択性
短期間で実行可能
のれん相当額の償却が可能
引継契約もしくは従業員の限定
|
資産や権利義務関係の移転引継手続き
従業員の承継
譲渡益に対する課税
|
④ 会社分割 |
権利義務の包括承継が可能
資金準備が不要
のれん相当額の償却が可能
各種課税が発生しない
|
簿外債務の発生
分割対象の会計上の処理と課税方法
債権者保護手続きの実施
|
企業の価値評価は対象企業の財務会計上のバランスシートを、5つの区分に分かれた価値評価用バランスシートに組み替え、各区分毎に評価を行って時価バランスシートを算定します。具体的な手順は以下のとおりです。
資産の部を、現預金・営業資産・投融資の3つに分類
負債の部を、営業負債と有利子負債の2つに分類
営業資産と営業負債をネットしたものを「純営業資産」と定義
有利子負債と現預金をネットしたものを「純有利子負債」と定義
純営業資産を時価評価したものを「事業価値」と定義
投融資については、個別明細ごとに時価評価
事業価値と投融資の合計である企業価値から、純有利子負債額を差し引いて残った部分が、株主価値となる
前項のような3つの価値手法のアプローチを体系化すると、下図のように表すことが可能です。
一般的には、複数の評価手法を用いて事業価値等を算出し、想定価格レンジを決めていきます。
類似企業比較法の概要は、以下の通りです。
類似企業比較法とは、評価対象企業と類似する株式公開企業(類似企業)の企業価値(=株式時価総額+純有利子負債)、または株式時価総額に対して、一定の財務指標(売上高、営業利益、償却前営業利益(営業CF)、簿価純資産等)との比率(株価倍率)を求め、その比率を評価対象企業の財務指標に適用して株主資本価値を評価する方法
類似公開企業の選定(類似取引比較の場合は当該取引と類似した事業の売買過去事例の選定)
評価倍率の算出
評価の実施
DCF法の概要は、以下の通りです。