SSCは、2000年以降多くの日本企業が構築に取り組みましたが、成功事例は非常に少ない状況です。SSCは、①コスト削減、②業務品質向上、③業務ノウハウの集約、④決算早期化など多くの効果を実現することのできる仕組みですが、下記のような課題があり、多くの企業で想定される目的を実現できていません。
単純業務、定型業務などの業務が多く、社員のモチベーション維持が困難
SSCは、本来業務品質向上を目的として構築されますが、SSCが適切に運用されず、単純業務や定型業務の処理に多くの時間を取られてしまい、そこで働く社員のモチベーション維持が難しくなっています。業務プロセスの継続的改善、コスト削減の実現が困難
SSCは、自ら改善・改革を繰り返し、継続的に発展していく機能を有することを期待されていますが、そもそも業務の可視化が進まず属人化してしまい、業務改善による標準化やコスト削減の実現が困難になっています。グループ各社の協力、経営トップの関与が得られず、集約化が進まない
SSCを構築することが目的となり、運用段階での経営トップの関与が得られないために、SSC構築の目的や成功要因がグループ内に浸透せず、業務集約化が進まず、適切なSSCの構築が難しくなっています。SSC構築では、コスト削減や業務品質向上などの目的が明確なため、下記のような項目の達成が重要となります。
定型業務、単純業務の徹底した省力化、外部化
計画、課題解決、専門・例外対応等の業務に対する対応可能な人員の強化
戦略・計画系業務へのシフト
業務効率化(コストダウン)の確実な実現
経営者の視点では、SSC構築によるコストダウン効果は「当然」と見られ、コストダウン効果が得られなければ「失敗」と見られます。よって、コスト削減を主目的としたSSC構築の場合、短期間でのコスト削減効果を創出する必要があります。継続的に発展するSSCの仕組み構築
単なる事務集中センターとしてのSSCでなく、計画や課題解決などグループ経営インフラを支えるSSCとなる必要があります。そのために、自ら改善・改革を繰り返し、継続的に発展していく機能を有するSSCの構築が求められます。働きがいのあるSSCの仕組構築
SSCで働く社員のモチベーションを向上させるためにも、目的を明確にし、働きがいのあるSSCの構築が求められます。