前回のコラムではコスト改善におけるシステム活用について紹介しました。
今回は調達コスト改善に焦点を絞り、事例を紹介します。
調達コスト施策は調達する対象物に応じて選択することが重要です。以下に代表例を紹介します。
期待効果 | 施策例 | 補足 | 対象品目 | 関連システム | 事例紹介 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
ERP | PLM | その他 | |||||
スケールメリットを活かす | 集中購買 | 発注量を多くし、ボリュームディスカウントを得る | 市販品 | ○ | |||
内示発注 | 一定量の発注を保証することで価格低減、平準化を得る | 発注側の特別仕様品 | ○ | ○ | |||
技術改善を活かす | 価格コンペ | 見積仕様を提示し、サプライヤーから改善提案を求める | 同上の重要部品 | ○ | ○ | ● | |
サイプライヤーの協力のもと推進する | 相見積 | 複数社より見積を取得し、QCDの観点から最適な発注先を選定する | 同上のメカ部品 | ○ | ○ | EDI | |
リバースオークション | 市販品 | ○ | Web | ○ | |||
サプライヤー評価 | 優良取引先への発注量を増やす 取引サプライヤーの数を減らして、1サプライヤーに対する発注量を増やす 例:天板+側板+底版を同一サプライヤーに筐体組立品として発注するなど |
加工部品、ユニットなど | ○ | BI |
リーバースオークション | 価格コンペ | |
---|---|---|
対象品の仕様 | 市販品 | 発注企業の独自仕様 |
対象品の品質 | サプライヤーで品質差がない | 品質の重視 |
サプライヤーの選択 | 一般公募 | 特定サプライヤーに限定 |
サプライヤーのコストダウン提案 | なし | サプライヤーに推奨 |
見積金額の公開 | 締切前に他社見積額も公開 | 他社見積額は非公開 |
再見積 | 他社見積により再見積可 | 改善提案による再見積可 |
「調達コスト改善」の取り組み事例を紹介しましたが、大前提としてサプライヤーとの継続的な信頼関係があってこその施策となります。
信頼関係が希薄な場合においては、一過性の効果しか期待できない(最悪の場合、以降の取引をサプライヤーから辞退される)リスクがあることに注意し、施策を実行する必要があります。
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