【プチ事例】電子請求システムとRPA、AI-OCRの組み合わせによる自動化編

毎月、毎週など定期的に発生する、少し面倒な事務作業に心当たりはありませんか。
「新しいシステムを導入して便利になったはずなのに……もっとラクにならないの?」

もしかしたらその作業、ITの力でラクになるかもしれません。

今回は、経理部門で毎月発生する「決まった内容の入力作業」の自動化に成功した事例を紹介します!

以前は手作業していました

取引先各社から毎月届く、請求書の発行を知らせるメール。
以前は、メールを受け取ってから経費精算システムへ支払依頼入力するまでの一連の処理を、経理部の担当者が手作業で実施していました。月末・月初はそもそもの業務量が多く非常に忙しいうえ、支払業務は絶対にミスができないので、これでは神経もすり減ってしまいます。
担当者は休みを取得したくても、この時期はあきらめてしまうこともありました。

経理担当者が手作業

  • メール受信

    各システムから請求書PDFをダウンロード

    請求書を集めること自体が面倒!

    添付ファイルにパスワードが付いていたり、ダウンロードにはシステムへのログインが必要だったりと意外に面倒です。

  • フォルダー格納

    ダウンロードした請求書PDFをルールに従い格納

    ファイルをルールに従って保管するのが手間!

    各請求書を所定のルールに従い、それぞれファイルサーバーへ保管。数が多いとこれだけでも手間です。

  • 支払依頼入力

    請求書PDFにある支払依頼情報を確認し、経費精算システムに手入力

    請求書PDFを見ながらの入力が疲れる!

    ファイルを開き一つひとつ目で確認しながらの入力業務。単純に見えてもミスは許されないので消耗します。

  • チェック

    入力した支払依頼情報を検証

どうすればラクになるでしょう

メールのやり取りが煩わしいので電子請求書システムを導入しよう! これでラクになるはず!

まずは新しいシステムの導入を考えました。早速、電子請求書システムを導入することで、メールの開封、請求書PDFのダウンロードおよび格納などの事務処理から解放されましたね。

さらに支払依頼入力までシステムで自動化できたら、もっとラクになるのに……

そうですね。全部自動的にデータが連携されれば、それに越したことはありません。
しかし電子請求書システムの機能で実現するにはインターフェイスの開発などが必要で、お金と時間と労力が掛かります。
新しい電子請求書システムを導入しても、すぐに全部ラクにとはいきません。

そんな時に思い出してほしいのがRPAとAI-OCR

RPAであらかじめ決まった手順を実行するように登録しておけば、その部分は自動化が実現します。
AI-OCRで読み取る箇所やパターンなどを設定しておけば、PDF中の必要な情報がCSVにまとめて出力されます。

ツールさえあれば、大規模な開発は不要! 難しいプログラミングの知識も不要!
担当者が自らの手でRPAおよびAI-OCRを使った効率化を実現することも夢じゃない!

自動化してみました

実際に、電子請求書システムで請求書を受領してから経費精算システムへ支払依頼入力するまでの作業をRPAとAI-OCRを使って自動化してみました。
すべての請求書への対応は難しいですが、よくあるパターンの請求書に関しては自動化でき、担当者の作業は最後にチェックするだけになりました。

RPAとAI-OCRを使って自動化

  • 電子請求書受領

    電子請求書システムから請求書PDFをダウンロードし、所定のフォルダーに格納

    請求書を集めるのがラク!

    電子請求書システムの導入により、メール添付の請求書PDFをダウンロードしてフォルダー格納する面倒がなくなりました。

  • AI-OCR読み取り

    PDFから支払依頼情報を取得してCSV出力

    支払依頼情報の取得がラク!

    RPAがAI-OCRへ請求書PDFの読み取りを指示し、自動的にCSVデータへ変換されるようになりました。ファイルを一つひとつ開く手間はもう必要ありません。

  • 支払依頼取込

    支払依頼情報CSVを経費精算システムに取り込む

    経費精算システムへの連携がラク!

    経費精算システムへのCSVファイルの取り込みもRPAが自動化します。これにより目検しながら手入力していたあの負担がなくなります。

  • チェック

    取り込んだ支払依頼情報を検証

自動化によりどんな良いことがありましたか

RPAとAI-OCRを使って、少しずつ段階的に、それでも即効性のある自動化を実現!繁忙期の工数が減らせました。

大規模な改革はすぐにできなくても、少しずつでも確実に工数のカットが見込めます。

絶対にミスできない転記の作業も、ツールによる自動化によって焦らず実行!何となく担当者が固定化していた作業も、ツール実行だけなら誰でもできる!作業担当者の心理的負担が減りました。

今までは「絶対に月末・月初は休めない!」と思っていた作業担当者もプレッシャーから解放されます。

自動化したことで工数が減り、今までは翌日に回していた作業もその日のうちにできるように!皆が喜んでいます。

人を待たせることなく業務を回せるようになると、気持ちよく仕事ができます。

おわりに

今回は電子請求システムとRPAおよびAI-OCRの組み合わせにより、請求書受領から支払依頼入力までの自動化を実現しました。
その結果、単純作業からの解放、ミスの削減、繁忙期の負荷軽減などの効果が得られました。
皆さんも思い立ったらすぐ、もっと“ラク”ができないか、ツールを利用した業務の自動化および効率化にチャレンジしてみませんか?

このコラムが皆さんの日常業務の一助となりますように!