前回のコラムでは、要件定義でよく見られる問題として「ゆるふわ要件定義」を取り上げました。
今回は、解決の方向性について考察します。
ユーザー部門の立場から「ゆるふわ要件定義」を防ぐためのポイントをいくつか挙げます。
しかし、これらを実際にユーザー部門の方々が実行するのはハードルが高いです。
SAP導入プロジェクトに慣れた方で、その必要性はわかっていても対策が難しいポイントとなります。
上記(2)を例に挙げます。
ユーザー部門が業務要件・機能要件を説明するには、日々の業務(以下、“通常業務”)とは異なるスキルが求められます。
そのためユーザー部門は大いに苦労されます。
実際、ベンダーからコメントを求められ、ユーザー部門がポカーンとしている会議をお見かけすることもあります……。
これはとくに上記(2)(3)で問題になる点です。
多くの場合、各ユーザーは通常業務と兼務でプロジェクトに参加されるため、多忙を極めます。
要件定義の序盤~中盤は会議中心のため、準備と参加で日々数時間拘束されることも珍しくありません。
終盤はベンダーが作成した要件定義書などのドキュメントのレビューに追われます。
見慣れないドキュメントのうえ、量が膨大で時間がなく、レビューがおざなりになるケースも少なくありません。
前項の2点、つまり「ゆるふわ要件定義」をユーザー部門として防ぐのが難しい理由は、
「多くのユーザー部門には、スキル上・工数上の理由から、要件定義の作業に対応できる人財が不足している」
という点に尽きます。
そのため一般的には、解決策も人的リソース面での対策になります。
大きく分けると3点で、組み合わせて採用するケースもあります。ご参考になれば幸いです。
(※)補足
コンサルタントは業務・システムの専門家である一方、例えば個々の会社の細かい事情や業務のやり方は把握していません。
コンサルタントの有効活用のため、以下のような点は自らご対応いただく必要があることにご注意ください。
要件定義については以上となります。
この工程の大切さと難しさについて、改めて考えていただくきっかけになれば幸いです。
弊社はSAP-FIモジュールの導入を中心に、ユーザー部門支援の実績が多数あります。
本稿に関し、より詳細な情報をお知りになりたい場合は、ぜひ弊社にお問い合わせください。
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