人的資本経営支援サービス
ニュースや新聞など、さまざまなメディアで日々この言葉が取り上げられ、広く認識され始めています。
しかし、実態としては、上場企業の役員や人事部長のうち、人的資本経営について、社員に説明できるほど理解しているのは約5割だといわれています。
皆さん自身はいかがでしょうか。人的資本経営とは何か、なぜ重要なのか。そう質問された時、どのように回答しますか?
本稿では、BBS HCM Insight シリーズの第1回として、人的資本経営の定義や、注目される背景など、人的資本経営の基礎的な理解に必要な情報を提供いたします。本稿が第一歩(ABC)となり、皆さんの人的資本経営の理解に貢献できれば幸いです。
では、早速始めましょう。
はじめに、人的資本とは、個人が持つスキルや能力、知識、健康といった、総合的な生産能力のことです。そして、人的資本経営とは、個人の生産能力、つまりは人的資本を引き上げ、企業の生産性や収益力を高める経営手法です。
ここで注目いただきたいのは、「生産性や収益力を高める経営手法」ということです。人的資本経営の目的は、働きがいやモチベーションを上げることだけではなく、それらが企業価値につながるようにマネジメントすることです。
近年、サステナビリティ経営や、ESG経営という言葉とともに、人的資本経営をよく耳にするようになりました。しかし、人的資本という言葉自体は、決して新しいものというわけではありません。ノーベル経済学賞を受賞した、米国のゲイリー・ベッカー氏によって、1960年代に提唱され、そして、広く認識され始めたのは1993年といわれています。
では、なぜ今、人的資本経営が大きな注目を集めているのでしょうか。
その答えは、人的資本への見方が、コストから投資へと変わったことに起因していると考えています。
従来、社員の育成や教育にかかるお金は、「コスト」と認識されていました。なので、多くの企業では、「コストを下げよう」というのが一般的な考え方でした。しかし、近年、企業の持続的な成長のためには、社員のスキルや能力など、いうなれば人的資本に「投資」することが必要だ、という考え方が広がっています。
なので、投資を積極的に行い、「成長」というリターンを得ようというムーブメントが起こっています。
ここで、なぜ人的資本への取り組みが、コストから投資へと認識されるようになったかを説明します。
こちらは、米国のS&P500の市場価値に占める有形資産と無形資産の割合を時系列にまとめた図です。
この図からわかるように、1985年あたりまでは、企業価値に占める割合は有形資産の方が多かったのですが、1995年になると無形資産の割合が60%以上を占めています。2020年には、企業価値の多くは無形資産だといえるまでになりました。
そして、この無形資産を生み出しているのは「人」つまりは「人財」です。
なので、投資によって、人的資本を蓄積することで、無形資産をつくる力を上げることができれば、中長期的な成長を実現できる、と考えられています。
また、こちらのデータは、米国のものですが、日本でも同じことがいえます。日本だと、未だに有形資産の重要性が高いといわれていますが、有形資産を生み出し、価値を高めているのも「人」です。
なので、人的資本経営に取り組むことは、今後の持続的な成長に必要な「投資」だと考えられています。
日本では昔から、「人」を大切にしている、という企業が多くありますが、それだけだと人的資本経営に取り組んでいるとはいえません。それは、人的資本経営の目的は、人を大切にすることではなく、人的資本を高めて、企業価値を上げることにあるからです。
持続的な成長のため、人的資本経営に取り組む企業は増えていますが、自社の取り組みが本質的か、今一度見直してみると、意外な発見があるかもしれません。
BBS HCM Insight シリーズでは、人的資本経営に取り組んでいる方も、これから取り組みたい方にも有益な情報を提供します。
それでは、次回の投稿でまたお会いしましょう。
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