単体会計システムは、ほぼすべての企業で導入されており、定期的な見直しが行われていますが、一方で、連結会計システムは導入していない、導入したもののその後一度も見直しを行っていないという企業も多いと思います。
では、連結会計システムを導入する、もしくは見直しをする場合、どのようなシステムを選べばよいのでしょうか。
ここでは1.連結会計システムの特徴、2.連結会計システムの機能とシステムによって違いが生じる点、3.連結会計システムの選び方の3点に絞って記載します。
連結会計システムとは、親会社および子会社等の関係会社の個別財務諸表等のデータを収集し、これに必要な連結処理を加えて連結財務諸表を作成するためのシステムです。連結会計システムの特徴は「単体会計システムと比べてとてもシンプルである」ということです。単体会計システムは伝票処理等、経理業務と一体となっているのに対して、連結会計システムは上述した通り、個社データの収集と連結処理が基本機能となっています。
現在では単体会計システムでもシステムによる極端な違いはないと思いますが、機能のシンプルな連結会計システムではシステムによる機能の違いは一層小さいと言えます。
連結会計システムの主な機能は以下の通りです。これらの機能は昨今の連結会計システムではほぼ間違いなく搭載されているものであり、これらを比較検討するだけでは、差異は見えてきません。
(1)個別財務諸表等のデータ収集、換算、および集計
(2)連結処理(連結修正仕訳の自動作成)
投資資本消去(資本連結)、内部取引照合消去、貸倒引当金の調整、棚卸資産未実現消去、固定資産未実現消去、連結税効果、のれんの処理
(3)連結財務諸表等の帳票の作成・出力
一方で、その機能における仕様(使い勝手)ではかなり違いが生じます。連結会計システムの各機能における仕様の違いとしては下記のような点を挙げることができます。
機能 | 仕様(使い勝手)の違いのポイント |
---|---|
データ収集 |
|
連結処理 |
|
帳票 |
|
なお、連結会計システムでは連結仕訳を自動化できる点も大きなポイントですが、特に投資資本消去等は、資本関係・履歴の複雑さや業務的な判断によっても処理が異なるケースが多く、すべてを標準機能で自動化できるとは限りません。そのような場合は、作成された仕訳を確認し、マニュアル対応が必要となるケースが出てきます。
これから連結会計システムを選定しようという場合、どのように選べばよいのでしょうか。
これまで述べてきたように、連結会計システムは機能としては大差ないものの、「Excelが使えない」「設定が煩雑」「帳票が見たいレイアウトで出力されない」等ユーザー目線での使い勝手では違いが生じます。よってユーザーが使いやすいか、管理者が管理・制御したい部分を実現できるかという視点で選ぶことが賢い選択になると思います。
また、上述した通り、連結会計システムではどうしてもマニュアル対応(手仕訳での修正)が必要になるケースがあるので、どのような処理までシステム化可能で、どのような手仕訳での修正が必要かといった業務整理が必要となります。よって、誰が導入するか、という点も非常に重要です。システムそのものの評価だけではなく、導入ベンダーのプロジェクトマネージャーや導入担当者が「連結業務及びシステムに精通しているか否か」「コミュニケーション能力に長けており、適切なアドバイスをしてくれるか否か」という観点も、システム選定の重要なポイントになると言えます。
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