「若手の育成」はいつの時代も話題に上がります。1990年代後半~2010年代前半までに生まれた世代は「Z世代」と呼ばれていますが、今後、会社の管理職やリーダーとなる方はZ世代以降の人財を指導・育成していく必要があります。そのためにはまず、Z世代に共通する特徴について知ることが第一歩であるといえます。現代の若手層であるZ世代は、働くことについてどのような価値観を持っているのでしょうか。
日本能率協会マネジメントセンターの調査によると2つの傾向が確認できます。1つ目は、仕事における指導者側への期待が大きいことです。Z世代は、仕事で行き詰まっている時、自分から上司・先輩に相談するよりも、行き詰まっている状況を上司・先輩に察してもらい、フォローしてもらいたいという傾向があります。2つ目は、失敗回避的であることです。Z世代の70%が、「失敗から学ぶことは多く、おそれずに取り組むことが大切である」と回答しています。その一方で、いざ仕事を任された際は、「失敗したくないため、責任ある大きな仕事は任されたくない」と50%以上の人が回答しています。また自身の成長について、「成長のために挑戦するよりも、無理のない範囲で仕事に取り組みたい」と50%以上の人が回答しています。
それでは、このような傾向があるZ世代人財とどのように向き合い、活躍につなげていくべきでしょうか。考えられる施策としては、例えば人事制度として、職場の支援者を若手人財に必ず1人設定し、若手が今取り組んでいる仕事や、その先のキャリアプランについてフォローする体制を構築することが考えられます。また、早い段階から成功体験を積めるように、スモールスタートが可能となる段階的な育成計画を立案し、計画に基づいた目標設定を行い、評価するプロセスを構築していくことも有益です。小さな成功を積み重ねることで、より大きな目標・大きな仕事に向かう動機付けにもつながると考えます。
今後は、会社として若手が育つ体制を構築し、段階的・継続的な成長支援施策を実施することが重要となります。若手育成施策を実施する基盤となる人事制度を整えることで、Z世代以降の若手人財が活躍し、企業成長につながると考えられます。人財活躍の観点から、人事制度の見直しを検討されてはいかがでしょうか。