2020年より感染拡大が始まった新型コロナウイルス、現在は第7波を迎えるまでになっています。私たちは、その影響を最小限に抑える努力を今後も続けていかなければなりません。
そうしたコロナ対応策として利用が拡大したテレワーク。これはもともと働き方改革のために推奨されていたものですが、新型コロナ感染拡大とともに利用が定着化し、今後もさらなる利用拡大が進むと思われます。
同時に利用が拡大したものとして、Webによるオンライン研修があります。労務行政研究所の調査によれば、2020年度の新入社員研修の68.2%がオンラインで行われたそうです。また、2020年9月の東京商工会議所の調査では、加入企業の53.1%で社内研修にオンライン研修が導入されているそうです。
テレワークと同様、オンライン研修にもさまざまなメリット・デメリットがあります。今回はそれを紹介しつつ、今後の研修形態のあり方について考えてみたいと思います。
まず、オンライン研修のメリットとして一般的にいわれているのは、
という課題が指摘されています。
これらを総合的に考えると、コスト面や、遠隔地、育児・介護中の従事者の参加というメリットは、非常に大きなインパクトがあると思います。今まで対面型集合研修への参加を見送らざるを得なかった多くのケースについて改善が見込まれ、広く研修の機会を提供できるようになると思います。
一方、デメリットに挙げた事項、通信環境の問題や実践型研修の難しさについては、通信技術の進歩やブレークアウトルームの活用などにより、かなりの程度、対面研修に近い効果を出せるのは間違いないでしょう。ただし、実際に同じ空間を共有してこそ可能な臨場感・緊張感が重要となる会社幹部からの講話や、社員同士の横のつながり醸成を目的としたミーティングなどの場合は、オンラインで目的を完全に達成するのは困難です。
したがって、原則として研修はオンライン化し、リアルな対面が不可欠なものについてのみ、対面・集合研修というかたちが残っていくと思います。テレワークも同じですが、コロナ禍が落ち着いたから対面に戻すのではなく、研修のオンライン化は、社員に広く研修の機会を提供できるという意味で、今後の主流となると考えます。