新年度を迎え、新人が入社する季節となりました。皆さんの会社・職場にも新入社員が入社・配属されましたか?
ある就職エージェントの調べでは、2022年卒の学生の87.2%がWeb面接を経験しており、最終面接がWebだった人も63.6%に上るという結果となっています。また、4年制大学卒の場合、3年生から2年間、登校できないオンライン生活が続き、卒業旅行に行けなかった人も多いそうです。
一方、ビジネスの世界でも、テレワークが可能な業種・勤務形態にある多くの企業で、オンラインによるテレワークが日常として定着してきています。
こうしたなか、学生時代にリアルな場を共有することで得られるインフォーマルな情報収集や、先輩・後輩の付き合いで得られる人間関係力の習得が難しかった新卒社員が入社してきます。その場合、コロナ禍以前入社の社員と同様に、テレワークを主体とした勤務で良いのか、あるいは別の配慮が必要なのか、今回はこの点を考えてみたいと思います。
結論から申し上げますと、私は、タテとヨコの関係づくりのサポートが必要であると考えています。
すなわち、タテの関係に基づくビジネスマナーや会社業務に関しては、集合研修などの説明で一通り学べるとしても、それだけで体得することは難しく、はじめは「手取り、足取り」教える必要があります。これは、会社に出社して対面で教えることが効率・効果の点で望ましいと考えます。
ただし、それができないテレワークの場合は、新入社員が気軽に聞くことができる仕組み、例えばメンター制度(年齢や社歴の近い先輩社員が、後輩社員の業務やメンタル面をサポートする制度)のようなものを導入する必要性が高いと考えます。
一方、ヨコの関係については、テレワークだけでは社内にどのような人がいるかわからない、あるいは社風についての理解不足から、会社に対する帰属意識が低下するおそれがあります。同期入社社員とのつながりは、悩みや喜びを共感できる癒しの場として大切にしたいものです。
したがって、定期的に同期入社者や社内のキーパーソンとの対話や交流の場を設けてみるのも一つの選択肢でしょう。
今の新入社員たちは、SNSを通じてリアルな関係をつくっていくのが比較的得意な世代です。新しい環境でスムーズなスタートが切れれば、「面識もないのに…」などと言っている世代に比べて、ニューノーマル時代のコミュニケーションリーダーになってくれる、そんな期待が持てるかもしれません。