• 帝国データバンクが実施した2021年女性登用に関する調査結果では、女性の管理職比率が平均で8.9%と、比較できる2014年以降で最高となりました。
  • 新型コロナウイルス感染症の拡大とともに広がったテレワークにより、時間や場所の制約を受けずに働くことが定着してきました。政府が掲げる30%の目標には依然として程遠い状況ではありますが、今回のことが管理職への登用も含めた女性のキャリアアップの機会となればと思います。
  • 管理職の仕事はここ数年で急速に負荷が高まってきています。労働法制の強化による労務管理や情報セキュリティへの対応など、マネジメント業務が質的にも量的にも大きく変化するなかで、さらに加えてニューノーマルな働き方が拡大しています。マネジメントの環境はこれまでとは大きく変わりました。
  • マネジメント活動はその80%がコミュニケーションといわれます。かつて対面でのコミュニケーションがノーマルだった頃、部下を管理する上司はつねに会社にいて部下を見ている必要がありましたが、この常識は変わりつつあります。管理職の仕事のあり方についても見直していく必要があります。マネジメントは時間と場所を共有し、「上司が部下を管理する」という上下関係のスタイルから、時間と場所の制約があるなかでも、「目標を共有し、メンバー全員が達成に向けて自律的に行動しやすいようにサポートする」という、よりフラットな役割に変わっていくのではないかと思います。
  • 昨年の4月の緊急事態宣言で一気に高まったテレワークの実施率は、全体的に少しずつ低下しつつありますが、管理職ほど低いという調査結果を目にしました。上司が出社していれば部下の在宅率も上がりません。
    ESG(環境・社会・企業統治)の動きが広がるなか、女性の管理職への登用への取り組みは今後いっそう重要となっていきます。今回の経験が改めてマネジメントの目的や役割を考え、女性の管理職へのキャリアアップへの機会となればと思います。