全社的な評価スキルレベルアップの必要性

  • 先日、お客様の新入社員フォロー研修を実施しました。昨年4月に入社し、コロナ禍で大変な1年だったと思いますが、この1年間で参加者の皆様の成長に触れ、講師を担当した私も沢山のエネルギーをいただきました。
  • この研修では、入社からの1年間の振り返りに加え、2年目から本格的に評価制度の対象となるため、評価制度の趣旨を理解し、自身に求められる役割を認識した上で、4月から行われる目標設定に主体的に参加できるようになることを目的として実施しています。
  • 先日、日経BP総合研究所がビジネスパーソンを対象にジョブ型の人事制度導入における調査を行ったところ、導入で考えられるデメリットの首位は、「管理職の評価能力に不安がある場合、適切な運用が難しい」という結果となりました。
  • しかし、ジョブ型人事制度の適切な運用を実現するためには、管理者の評価スキルだけでは不十分です。ジョブ型への移行は、「評価する人と評価される人」「管理する人と管理される人」という関係から、「上司と部下で共に求められる役割・職務を確認し、評価結果を共に考え共有する」という関係に大きく変える必要があります。評価する上司と評価を受ける部下が、期待される役割・職務について確認し合い、求められる成果や行動について共有し、社員一人ひとりが自律的に働くことがジョブ型人事制度の前提となります。
  • 先ほど紹介した新入社員フォロー研修では、評価制度に参画するための基本的な目標設定・評価スキルを身に付けるだけでなく、なぜ必要となるかを考え、自律的な働き方について気付きを得ることを重要な目的としています。
  • 新年度、ジョブ型人事制度への移行検討を予定している企業も多いと思います。しかし、ジョブ型の人事制度は、基準やルールを整備しても、かつてのように上司が部下を評価するという考えでは機能しません。制度の見直しに合わせて、評価を受ける側も含め導入の目的を共有し、自律的な働き方を支えるスキルとして目標設定や評価といった運用スキルからレベルアップに取り組むことが必要です。