人事制度構築支援
近年、一定期間仕事を離れて自己成長やリフレッシュのために時間を使う「キャリアブレイク」という選択が注目されています。就業を一時的に中断する目的は、育児や介護、学び直し、旅行、ボランティア活動を行うなど、さまざまです。この「キャリブレイク」を活用することは欧米では一般化しているものの、日本では理解がまだ十分に浸透しているとはいえません。
多くの日本企業では、長期間の休職制度が設けられておらず、キャリアブレイクをする場合は退職を余儀なくされることが多いのが現状です。育児や介護のための休職制度はありますが、自己成長や学び直しを目的とした休暇制度は一般的ではありません。働く側の意識も「一度会社を辞めると再就職が難しい」という不安が大きく、とくに長期雇用の文化が根強い企業では、ブランクがキャリアにマイナスに作用すると考えられがちです。そのため、キャリアブレイクを選択する人は限られています。
キャリアブレイクを申し出た際の企業の対応はさまざまです。前向きに受け入れる企業も増えているものの、多くの企業では退職の意向、もしくは就業意欲の低下と受け取られることがあり、昇進の機会を失ったり、復帰後の待遇が悪化したりするケースもあります。とくに中小企業では、人員不足が業務に支障をきたすため、ネガティブな対応となることが少なくありません。一方で、一部の企業では、柔軟な働き方を推奨し、キャリアブレイクや出戻りを認める動きも見られます。
キャリアブレイクを支援する企業側の体制として、キャリアブレイクを正式な休暇・休職制度として整備し、一定期間の休職後にスムーズに復職できる環境を整えることも一つの方法です。復職時には元の業務に戻るだけでなく、キャリアブレイク中の経験を活かせるポジションへの配置転換や柔軟な働き方の選択肢を用意することも考えられます。キャリアブレイクを「休み」ではなく「成長の機会」として捉える企業文化を醸成することも、社員の成長意識の向上につながるのではないでしょうか。
キャリアブレイクは、社員にとって自己成長やワークライフバランスを見直す貴重な機会であり、企業にとっても優秀な人財の流出を防ぐ手段となり得ます。柔軟な制度の導入や意識改革を通じて、企業と社員がともに成長し、より幸せな働き方を実現できる環境づくりができるのではないでしょうか。高齢化社会となり就業年数が長くなるこれからの時代に適したキャリアブレイクのあり方を模索していくことも、今後の企業課題となっていくでしょう。