人事制度構築支援
株式会社LIFULLで老卒採用がスタートしました。世の中の多くの企業が雇用の上限として設けている65歳以上を採用ターゲットとしています。募集ポジションは営業部門のアドバイザーやコピーライターなどの合計3ポジションです。私は率直に素晴らしい取り組みだと感じました。同社が実施したインターネット調査(※1)の結果と合わせて、ぜひとも皆様にも紹介させていただきたく、今回のLIFULLの老卒採用に関連した記事を執筆します。
同社が実施したインターネット調査(※1)では、65歳以上の働く方と、採用担当者をインタビュー対象としています。65歳以上の働く方は年齢を理由に希望した仕事に就けないという声が多く、実際に採用担当者側のアンケートからは、65歳以上の採用を積極的に行っていない企業が8割という調査結果が出ていました。このアンケート結果が示すように、私自身も、65歳以上はもちろんですが、いわゆる定年を迎えた60歳以上の方々が活躍できる環境はまだまだ少ないと感じています。
今の人事制度の主流は、期待される役割がどのレベルかで等級や賃金を決定するという、役割をベースにした考え方です。だたし、この考え方は正社員を対象にした考え方という企業がほとんどでしょう。私自身はこの考え方を60歳以上を対象にした人事制度にも持ち込んだ方が良いと考えています。60歳を超えると、その人の業務に対するパフォーマンスは極端に下がるのでしょうか。決してそうではありません。また、仮に22歳から60歳までの38年間で獲得した経験や知識は、当人にとっても企業にとっても大きな財産です。
正社員向けの人事制度のベースを役割とするのであれば、年齢は関係ありません。求める役割に対して妥当な等級と賃金を支払うべきです。その延長であるシニア社員の活躍の場も同様です。シニア社員の役割を例に挙げると、上記で紹介したLIFULLは老卒採用におけるポジションの業務を「CxOクラスと並走する」と記載していました。そのため、難易度の高い役割を求めるのではないかと推測します。現役とほぼ同等レベルの役割を求める企業もありますし、現役よりも役割レベルを落とす企業もあります。
60歳以上はもちろんですが、65歳以上の方々のなかにも非常に有益な情報や能力を保有する方々がいらっしゃいます。これを機に、ぜひシニア社員に会社として求める役割を明確にしてください。
※1 LIFULL「シニアの就業に関する意識調査」を実施 ~65歳以上の働く方300名、企業の採用担当者300名に調査~
https://lifull.com/news/32276/