テレワーク から コロナ後・その先 を考える

  • 東京都内の企業のテレワーク導入が急拡大していることが、都の調査で分かりました。
    3月時点で24%だった導入率は4月に63%と2.6倍に上昇しております。3月と4月の導入率を規模別に見ると、大企業は45%から80%に、中小企業は25%から71%に、小規模企業は19%から54%にそれぞれ大幅に上昇しました。
    テレワークを実施する社員の割合は4月時点の平均で5割近くに上回り、業種別では、情報通信、金融、サービス業など事務や営業職が中心の業種で76%が導入しております。現場作業が多い建設や製造、小売業といった業種でも55%が導入しております。都のテレワーク推進は、東京五輪の混雑解消の一環として行われてきましたが、新型コロナウイルス感染症の患者が全国的に広がった3月以降は、通勤抑制に有効として企業に導入を求めてきました。
  • テレワークは、可能な職種とそうでない職種があります。また、進展してきてはいるものの、IT環境が未整備で導入できない企業もあります。テレワークが可能な職種で、IT環境が整っていても、自宅が狭くてワークスペースが確保できなかったり、小さな子供がいて仕事をすることが難しいなど、自宅環境がテレワークに適さないこともあるかと推察されます。
    しかしながら、社員の側からすれば通勤と感染リスクから解放されることのメリットは非常に大きくあります。
    労働時間管理、生産性の個人差、見ていない社員をどのように評価するのか、モチベーションの維持、コミュニケーションなど課題はありますが、それぞれに対策を講じながら、社員の自宅環境等も勘案して、テレワークは継続されていくでしょう。
  • 企業は広いオフィススペースが必要なくなり、社員は首都圏近郊に住む必然性も無くなるかもしれません。
    実家に戻れば親の介護の一助にもなるであろうし、旧友たちをはじめとして地域との交流も再び始まるでしょう。自然豊かな所に移住すれば健全な子育てができるかもしれなく、ワークライフバランスは良化するでしょう。視点を変えれば、人口の大都市集中が緩和され、地方の活性化・過疎化解消の一助にもなり得ます。
  • 新型コロナウイルス感染症は、日本及び世界経済に甚大な負の影響を及ぼしましたが、コロナ後の経済・社会構造は、コロナ前と一変したものとなる可能性があります。企業の在り方、働き方、人事制度などもまた同様です。
    コロナ後とさらにその先に目を向けることを始めましょう。