経理に係る業務やシステムの変更が必要になった場合、経理部門、システム部門、事業部門等が集まり対応を検討しますが、お互いに十分、内容を理解できていないケースは多々あるようです。
確かに、経理の用語は経理部門以外の方には難しいでしょうし、システム用語もシステム部門以外の方には難しく感じるでしょう。また、事業部門の現場実務まで把握することも、経理部門やシステム部門には限界があるでしょう。
筆者はこれまで、システム導入を伴う経営管理の構築や内部統制構築等、多部門が関わるプロジェクトを経験してきましたが、お互いの理解促進のポイントを3点ほど紹介させていただきます。
① ドキュメンテーション
基本的ですが、資料により可視化しましょう。
資料作成により、全体の俯瞰や漏れに気づきがあります。筆者も資料作成時に、全体での位置づけや検討すべき論点、論理的な構成に気づくことがよくあります。
また、会議では認識合わせに役立ちます。口頭ベースで理解していたつもりでも、後で確認したら認識がずれていた、ということはよくある話ではないでしょうか。
さらに振り返った際に、資料は強力なツールになります。筆者も資料に残したメモを見て、当時の話の流れを思い出すことがよくあります。
② プレゼンテーション
資料を見ながらの議論だけでなく、必要に応じて、ボードに書き、オンライン投影しながら表現しましょう(時と場合によりますが)。
可視化して表現することにより、どの論点やどの部分が懸念点となるかが明確になるだけでなく、関係する論点に気づいたり、議論が活発になったりすることは、よくあるのではないでしょうか。筆者もよく打ち合わせの際に、認識合わせや論点整理、ブレインストーミングにホワイトボードを利用しています。
③ コミュニケーション
相手の立場で考えましょう。
難しい専門用語を理解しやすい言葉で説明することはもちろん、対応が難しい場合は一緒に解決策を見つけ、協力し、時にはフォローすることも必要でしょう。相手への姿勢や気遣いが大切ではないでしょうか。
筆者も議論の内容が難しかったり複雑化だったりした場合は、理解が正しいか整理させていただいたり、懸念点は何かを伺い、話し合うことはよくあります。
最近、テレワークやオンライン会議の利用等、働き方が変わってきましたが、やはり人と人とのつながりが基本ですので、お互いの理解の重要性は変わっていないのではないでしょうか。
サステナビリティ情報開示:開示基準の最新動向(2025年3月)
サステナビリティ情報開示:SSBJ基準と補足文書の関係
システムリプレイス時における財務報告の内部統制対応
サステナビリティ情報開示:温室効果ガス排出量の測定の基礎データを特定する際の留意点
新リース会計基準を適用するうえでの実務構築上の留意点:リース契約における債務管理
IFRS18「財務諸表における表示及び開示」導入による実務への影響
システムリプレイスがIPO準備中のJ-SOXに与える影響と対策
炭素税とサステナビリティ開示
IT全般統制にかかる規程等と情報セキュリティ関連制度との関係
サステナブルな会計業務とは
ITに関する規程などの改訂の進め方とポイント