e文書法・ペーパーレス対応支援
ペーパーレス業務を検討する際に、通常は、既存システムをできるだけ改修しないという方針があると思います。
しかし、こうした方針があると、基本的に、ペーパーレスによる業務の効率化の大きな制約となります。
そこで、新システムを導入して、ペーパーレスによる業務の効率化の方法を徹底的に検討して、そのための機能を数多く実装しようとする場合もあります。こうした方が、ペーパーレスによる業務の効率化は、格段に向上します。
今回は、新システムを導入してペーパーレス業務を検討するという想定で、新会計システムを選定する場合の留意点をお伝えしたいと思います。
経理業務を支えるシステムといえば、まず会計システムが浮かぶと思います。今回は会計システムの選定という観点から検討したいと思います。
新しい会計システムを導入する場合、できるだけ多機能で、使い勝手が良く、安いものが欲しいと考える人が多いと思います。
そういった視点以外に、システム選定に関して持つべき視点を4つ紹介したいと思います。
このように、新会計システムの選定の際し、さまざまな視点に注意しなければいけないことがおわかりいただけるかと思います。
会計システムなので、当然に、会計基準に準拠していなければいけません。
ここで、会計基準等の動向を紹介しておきます。こうした新基準への準拠にも留意して、システムを検討する必要があります。
企業会計基準委員会の資料などから、主要なものを紹介しておきます。
こうした基準の動向にも目配りをして、新システムの新基準への充足度合いにも留意する必要があります。Webサイト、書籍、セミナーなどにより、積極的な情報収集が望まれます。
会計システムは、当然に、税法への適合も求められます。この点、グローバルのパッケージは日本の税法への適合が十分ではない場合があります。
日本発のパッケージは、基本的に、日本の税法には非常に適合していますが、海外の税法には必ずしも適合していません。何カ国もの税法への適合、例えば何カ国もの申告書の出力に対応するのは、パッケージのベンダーにとって負荷が高いといえます。グローバルのパッケージについても同様で、本国周辺以外の国々の税法への適合は、非常に限定的となります。
ペーパーレスのためには電子帳簿保存法に対応する必要があります。
電子帳簿保存法も税法の一つであり、対応する必要があります。要件はさまざまありますが、例えば検索機能の要件も独特で、範囲検索、ブランクデータの検索などにも対応する必要があります。この点、グローバルのパッケージは対応できていない可能性もあり、注意が必要です。
今回、新会計システムを選定する際の視点について、いくつか紹介させていただきました。
何となくシステムを選定するケースもあるようです。業務の効率や精度を向上させ、自社の競争力を向上させるためにも、腰を据えた「システムの選定」を行うことをお勧めします。
高価な買い物なので、購入した後、すぐ「他のシステムに変えよう」ということは難しいといえます。したがって、慎重な判断が求められます。
どのシステムが良いかを評価し選定する作業は、自社の業務しか知らないと実は難しいです。第三者の知見を借りると、比較的、容易に判断できると思われます。
新システムの導入にあたり、業務水準の劇的な向上と自社の競争力の格段の向上をめざしていたものの、それが夢に終わり、ベンダーにクレームを言うことになり、プロジェクトが頓挫して、妥協のうえ、不満足な新システムを導入する事例も見たことがあります。腰を落ち着けて、しっかり選定する必要があるといえます。