第6回 連結経営管理の改革ポイント

連結経営管理の改革ポイント

連結経営管理の課題の類型化を受けて整理した、改革ポイントのサマリーを見ていきます。「経営実態の見える化(可視化)」と「管理の効率化」が、連結経営管理基盤構築の狙いであり、「比較可能性の確保」が、見える化を支えるデータ処理要件の中で、特に重要となっています。「可視化」「効率化」「比較可能性確保」「情報品質向上」が、重要な改革視点となります。

テーマ名

改革ポイント

改革視点

連結予算管理

  • 数量計画(PSI計画)と整合のとれた、単体予算編成~連結集計

情報品質向上

  • グループ各社の予算根拠の見える化

比較可能性確保

  • 予算前提を活用した、効率的な予算の見直しと業績見込みの策定

効率化

連結資金管理

  • 予算と整合のとれた、単体年度資金計画~連結集計

情報品質向上

  • グループ各社の資金計画根拠の見える化

比較可能性確保

  • 資金計画前提を活用とした、効率的な資金計画の見直し

効率化

連結原価管理

  • 原価把握方式の統一

比較可能性確保

  • 国内外製造拠点の原価情報の見える化

可視化

  • 国際分業生産品の連結原価の集計

可視化

  • 変動要因(原材料、為替、人件費など)に対する原価影響算定

可視化

  • 初期流動品、生産移管品の実際原価のモニタリング

可視化

連結会計管理

  • 収集する連結基礎データの標準化

比較可能性確保

  • 連結基礎データ(連結パッケージ)収集の効率化

効率化

  • 連結計算(換算、未実現利益、内部取引、資本計算等)の効率化

効率化

内部取引管理

  • 内部取引の照合・決済の効率化

効率化

プロジェクト会計

  • 売上、原価把握方式の統一

比較可能性確保

  • 1つの契約にもとづく「法人を超えた採算」の見える化

可視化

連結業績

  • 収集する業績基礎データの標準化

比較可能性確保

  • 業績基礎データ収集の効率化

効率化

  • グループ損益、採算の見える化

可視化

  • KPIによる管理

可視化

統合マスター管理

  • 統一コードの一元管理

効率化

  • 統一コードとローカルコードの変換テーブルの一元管理

比較可能性確保

  • コード改廃手続きの効率化

効率化

表中の改革ポイントを見てみて分かるように、コンポーネント固有の独立したテーマもあれば、他のプロジェクトに依存するテーマもあります。

全体の整合性を維持していくためには、コンポーネントの連携関係(統合レベル)と連携するデータの仕様(データ企画、データ処理要件)について、見通しを立てておく必要があります。